NAMIKOSHI Shiatsu Europa

ヨーロッパ浪越指圧協会、オランダ指圧セミナーに参加して。(窪田 民夫)

 2017年4月1日㈯・2日㈰の両日にオランダのアムステルダムで催しされたセミナーに参加する幸運に恵まれ、あらためて指圧と呼ばれる世界に生きるプロの指圧師の真剣さと、また指圧という名の セラピーが限りない可能性をうかがわせながらもその役割のなかに追随する責任の大きさにあらためて気を引き締める思いでいっぱいになりました。

 到着した時には翌日のセミナー会場の準備ですでに当地のベロニカ女史を会長とするオランダ指圧ヨーロッパ協会の責任者たちが立ち働いていました。
参加者総数は47人ということで、そのうち32人ほどが前回の指圧セミナーの参加者でもありました。参加者全員が自営業もしくは勤務先を持つものの、患者を応対する毎日を送っている第一線で活躍されるプロフェッショナルの皆さんでした。

 今回は私の初めての海外でのセミナーに参加を許していただいたヨーロッパ浪越指圧協会の会長でもあり、またスペインマドリード日本指圧学校をたばねる創始者の小野田先生のご指示のもと、セミナー開催中はデモンストレーションの患者の形で小野田先生のご教授される指圧を受けさせて頂いたり、また参加者に混じる中一緒になって指圧を勉強させてもらいました。

 海外で指圧師として働く参加者の姿を知っていくというのも、この指圧をヨーロッパに位置づけされて行かれた小野田先生のご苦心と成長していくヨーロッパでの指圧の姿を映像として紹介されていかれるというのも、うがった考えをすればやはりそれは小野田先生のご配慮であり、子を手元から離した親御の心境ではないかなとの思いで私の手に渡されたカメラやヴィデオでの撮影時には、ことのほか私の手にも力が入り、また参加者の真摯な、聞きこぼさず、見過ごさず学ぼうとしている姿に自然と頭が下がる思いになりました。

 ヨーロッパのオランダ人という人種性からくる、背の高さにも合わないだろうと思える施術台の高さの調整具合、施術中の施術者の体の基本姿勢と重心移動の配慮、また学校では私らに口を酸っぱくして何回となくいわれてきた基本原則、圧の入る角度、時間、集中心、指圧する際の指・腕・腰の姿勢等々。
私の頭の中にあるものとは違う動作やコンセプトが参加者のほとんどに見られる中セミナーが進んでいきました。これが現実に患者から治療代を受け取る第一線で活躍するプロフェッショナルの姿なので、どれが本当で、どれが良いのか一瞬目を瞬いてしまいました。
兎に角わたしはとやかく言える立場にはいないのでセミナーが進行するのに任し続けました。
やはり参加者はプロフェッショナルでした。

 小野田先生のモデルを使った指圧のご教授のデモンストレーション、咳き一つない会場。
そこかしこから参加者達の質問の手が上がりだし、それぞれ組み合わされた施術者と被施術者の間で各施術に合わせた姿勢の取り方、各圧の要領が検討され始められました。
どれが良い悪いではなく、自分のしている指圧というものと教えられた指圧とで、どちらが説得性があり、また、どちらがより自然に近づく本物の施術になるかということではないだろうか。彼らはそれをプロとしての直感で素直に耳を傾け、従い、いままで何年か何十年か続けてきた彼ら自身の技術を変えようと一生懸命になっている。そして何よりも患者に対する責任感がそれを力づくでやり遂げようとしている。

 これらがセミナーを終えようとする中、私の心の中にしっかりと根を張り出してきました。
やはりこのオランダ指圧セミナーに参加できて良かったと強く思いました。
この機会を与えてくださった小野田先生にはあらためてお礼を言わせていただきます。

窪田 民夫

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