NAMIKOSHI Shiatsu Europa

ヨーロッパ指圧浪越レポート

なぜヨーロッパ指圧浪越を立ち上げたか

そして未来への躍進

ヨーロッパ指圧浪越のインストラクターが一堂に集まる定例会が毎年2月に開催されます。毎年スペインの首都マドリッドで行われます。

ヨーロッパ指圧浪越協会は、日本ではなじみが薄くあるいは聞いたこともないと言われる方が大部分だと思われます。

シアツプラクター(指圧師)小野田茂は1984年にスペインに指圧クリニック、そして将来は、ヨーロッパの人に指圧を教える学校を開校しようという目的を持ってスペインのマドリッドに住むようになりました。

指圧の大御所である大先輩に、治療ができなくちゃ、指圧は教えることはできないよ、と誠に核心を突いたアドバイスを渡西前に言われました。叉在るこれも治

療家の先生に20、000時間、患者さんと付き合えば(施術すれば)一人前かな、とも言われたので、とりあえず、一日8人施術して一月25日働くと200人(200時間)を一ヶ月の施術人数の目標を立てて患者さんとの接触を一番に考えて治療に専念しました。

あの頃は、鼻持ちならないプライドを持って、それじゃーやってやろうじゃないかと一念発起して、患者手帳を作り、一日一日その日のカルテを日記のように書きこみスペインにおける指圧道が始まったのでした。何やかんやで、20、000人(2万時間)指圧をするのに14年掛かりました。

その間、日本人とヨーロッパ人の体の違いを把握して、スペイン人に納得のいく指圧ができるようになる事を前頭において、無我夢中の14年でした。スーッと入りスーッと終わる治療(無心治療)ができるまでやはり時間を要しました。

コップに水を注ぎ一杯になり、それが溢れ出るまで

の修行は好きでなければできないことだと実感だけは確かに経験できました。

特に背骨と骨盤の歪みによる痛み、不快感(フィジカルペイン)を消去するテクニックの取得に全力を注ぎました。

指圧といっても、なにが何だか分からない人達(ヨーロッパの現状)を納得させて患者さんを増やさなければなりません。指圧のファンを増やすことは痛みを取ること、痛みさえとれば患者さんは納得、このことは、万国共通なはずを合言葉に、痛みのメカを勉強してどうにか食えるようになったのが渡西6年目ぐらいからだったと思います。

それでも日西指圧学院(JAPAN SHIATSU SCHOOL OF JAPAN)を発足するのは、2年後の在西14年目でした。その頃は,禅指圧(増永静人)がブームでイタリアを中心にあちこちで講習会が開催されていました。

私は、浪越徳治朗先生が創設した日本指圧専門学校

の卒業生ですので、浪越スタイルを前面に出して教え始めました。しかしブームという波に乗った禅指圧は、恐竜的存在であり、例えれば、浪越指圧のスケールは100分の1のネズミさんでした。

日本なら指圧と言えば、あのあの強烈なキャラクターの持ち主の浪越徳治郎先生のお陰で、浪越は、ルイビトン宜しくブランドものですが、ヨーロッパでは、なんと言っても増永先生の禅指圧がピカピカなのでした。

ただ禅指圧は、コントロールする機関も、人もいなかったので、各グループの質に差があり、増永指圧といっても各グループが創造を持って独自の増永を作り出して各自の理論も、てんでんばらばら、勝手に各自が好きな道を歩いてるといった現状でした。これは2020年現在も変わりません。

共通していることは肘と膝の圧を使うのが禅指圧、そして経絡重視が禅指圧この程度の共通性でつながっていたのが増永指圧かもしれません。

長年スペインに住んでいると、理解できるのですが、ヨーロッパ人は、ご飯を決して御飯、唯一の味を楽しみながら食べるという発想がなく、他の料理と混ぜて食べるのが西洋人の思想です。

ご飯とおかずを分けてそれぞれの味を楽しみながら食べる日本人、まさに純粋を尊ぶ日本人、一つを極める文化です。この違いが、ヨーロッパの指圧の歴史も然り、文化の違いと同じように反映しているのかもしれません。

このことは教える方法論の違いとして現れています。

理論から入る西洋人、実践、経験を通じて技に磨きをかけてから、理論を学ぶことを良しとする日本との、文化の違いがはっきりと表れた結果がこのことを現わしているのかもしれません。

極端になりますが、講習を受けると、講習に時間とお金をかけた投資を回収しようとその生徒が、禅指圧のグループを立ち上げ、講習会を開きお金を回収する

といったビジネスライクの輩も確かにウヨウヨいる実態がヨーロッパでは今でも確かにあるようです。テラピィーではなく、ヨガや太極拳の広がりを見せているといえば、理解できるかもしれません。

私にいわせれば、指圧の基礎もない烏合の衆ですが、民主主義は多数決の理論が成り立ちます。本物が,報われない位置にあるのが、ヨーロッパの現状のようです。

その流れは簡単には止まりません。どうしたらいいかを思案しながら正しい指圧の普及にヨーロッパ指圧浪越協会をたち上げたと言えば確かに当時はそんな感じだったのかもしれません。

ただ一言わせてもらうとブームにのって指圧を演出した人がいて、正しい増永先生の教えを伝える指圧師がいなかったことがアンラッキーだったんだと思います。

ジーっと触ってハイ終わりじゃ治りません。霊気療法の延長上にいて、メンタル的なケアーを必要とした

西洋人が結構この程度の技で、納得した事実も勘違いを助長して不幸だったのかもしれません。しかし事実これが増永静人先生の起こした禅指圧のヨーロッパの実態です。

増永先生は57歳の若さでガンでお亡くなりになっています。海外に普及を始めたばかりの志半ばでお亡くなりになりました。

後にニューヨークの大橋先生が増永先生との共著、禅指圧と言う本をを発表してヨーロッパに広がったのが禅指圧です。

今では、大橋先生はOOHASHIATSUの商標でヨーロッパに来ては講習会を開いて教えています。ヨーロッパの古い指圧の先生はほとんどがこの流れの中に入っている人達です。

この頃がヨーロッパの指圧第一ブームです。イタリアの指圧の団体は今でも3つの大きな協会がローマ,ミランに存在しますが、各団体の会員人数は2000人を超えます。

これだけ盛んな理由としては歴代の首相を25年にわたり指圧をし続けている先生がいて、バチカンの法王も歴代、指圧を受けているという歴史があるのも一因かもしれません。

面白いことにこの3団体は増永系の団体なんですが、首相と法王を治療している先生は浪越の指圧を習った先生なのです。基本のない手技療法はやはり治療としては通用しないという証拠かもしれません。

それじゃ正しい指圧とは何ですかと聞かれます。その答えは、指圧の施術師が10年20年と治療をしても治療師自身の身体が不調を訴えない正しい姿勢で治療ができるやり方を教えているかと言う単純な答えでもいいかもしれません。

正しい姿勢で体を傾けて体圧をかけることができれば、圧はおのずと浸透した圧になります。すなわちプロの先生が実践の経験を踏んで長年プロとして活躍できるHOW TOを教えることができるかと言うことです。

治療経験のない先生が教えると無理がある姿勢、気の通じる姿勢の違いを教えることができません。1年2年で、指圧はきついから針を習いますと言う生徒が後を絶たないのはこんな理由があるからです。逆に言うと食えない趣味の範囲の指圧が禅指圧なのかもしれません。

増永先生の指圧は一流です。良い悪いの問題ではなく増永先生の指圧理論を教える度量の先生がヨーロッパにはいなかったことがアンラッキーだったのです。このことは残念ながら事実です。

こんな経過を持って、何の指圧をやってもいいですよ、でも正しい姿勢で負担のない体の正しい使い方にのっとった基本指圧だけはマスターしましょう。

実践しましょう、と言う考え方を広めるために立ち上げたのがヨーロッパ浪越指圧のインストラクター制度です。

指圧の基本である浪越指圧を伝えるのが私達インストラクターの仕事です。基本だけは、しっかり教え

ます。

しかしあなた方の流派には干渉しません。これが私達の浪越指圧協会の姿勢です。

私の学校は独自のスタイル阿是指圧(浪越指圧を基礎に西洋人の身体にあった指圧の治療法)を教えていますが、3年間の教育のうち1年半をかけて徹底的に浪越指圧を教えます。

後の1年半を阿是指圧スタイルを教育します。いわゆる実践指圧、食うための指圧、そして西洋人の体を、習慣を、考え方を考慮した指圧療法を教えます。

今まで、世界中で私の弟子達が浪越インストラクターとして正しい指圧、日本で体系化された浪越指圧をを教えています。

長年この浪越インストラクターの同志が、正しい指圧を全世界に普及してきたお陰で、指圧治療師が施術を長年、プロとして営業できる体の使い方を教授しているお陰で、基本である正しい姿勢(背骨、骨盤に負担の掛からない姿勢)で圧する意味を理解した指圧師が、ずいぶん増えたとヨーロッパの各国の指圧の団体に招待されてセミナーをする時に参加者の施術の姿勢を実際に見ていると浪越の基本姿勢がイメージ出来て、普及が少しづつ進んでいるとかんじることがしばしばあります。

PC,スマートフォン全盛の世の中、手技療法は、再びブームが来ています。浪越徳治郎先生は、ご存命の間、常に前頚部と腹部の重要性を問い続けてきました。

今まさに、フィズカルペインを治療をする時代は続いておりますが、メンタルペイン特にメンタルストレス疾患で悩まれる現代人が、増えています。この患者さんたちの救世主として前頚部と腹部の治療が大変有効です。昔から言われている、頭寒足熱(上虚下実)、肝腎(心)要の原始治療が、複雑な、そして便利すぎて、親切すぎて、病気が反対に増える現代社会には、特に有効です。

特に指圧療法は、今の現代人に確実に受け入れられています。そのことを励みに浪越指圧ヨーロッパのイ

ンストラクターは正しい指圧、癒しの手技ではなく現代人が真に感じる体の不調を治療する指圧療法を広げるために頑張ります。

改めて、2020年のさらなる本物の日本で生まれた本物の指圧を普及するためにメンバー一同頑張ってまいります。

ヨーロッパ指圧浪越代表

小野田茂

令和元年 2020年 新春

 

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